2017年01月27日

宗田節のマニアックデータ

宗田節製造の最重要工程の「焙乾(ばいかん)」についてのレポートです。

原魚は12月上旬のめぢか(マルソウダ)、1匹350g前後の平均で少し脂があります。

工程は大きく分けると、@煮熟Aセイロ取りB焙乾の3つの工程で行われます。

@煮熟では前日に水揚げされためぢかを1時間から1時間半程度煮ます。
Aセイロ取りでは頭・内臓・中骨の順に取り除き、片身の状態にします。
B焙乾で1週間程度じっくり燻して水分を減少させ節にします。

今回はこの各工程でのめぢかの重量の変化について測定しました。

焙乾日数と重量推移データ

原魚では184g(片身分)のものが@とAの工程を経て、焙乾前には84gとなります。
実に54%もの減少!
これはセイロ取りでの頭・内臓・中骨の除去のみならず、煮熟することで生身の水分が減少することも要因です。

1日目2日目はしっかり火を入れることもあり、水分減少が大きくなっています。
そこからはじっくり火をやり、7日目の34gとなったところで仕上がりました。

最初の生身の状態から18%の重量しか残っていません!
この節では製品歩留18%となりますが、通年でみても20%いかないくらいの平均です。

それほど節の中には旨みが凝縮されています。
おかげで長期保存が可能となり、いざダシをとったときにはその旨みが解き放たれます。

以下に焙乾時の変化の様子の写真を掲載します。

宗田節の焙乾変化(皮側)

宗田節の焙乾変化(骨側)

一番左が焙乾前、それから1日毎に並べ一番右が7日後の完成した宗田節です。
全く同じものではないので多少のバラツキはありますが、最初の重量は誤差2g以内に抑えています。

鰹節のデータは多くありますが、宗田節は少ないので何かの参考になれば幸いです。
posted by まるきゅう at 21:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 宗田節造り

2014年09月20日

笹目近漁

晩夏から秋口にかけて獲れる笹目近の漁が最盛期を迎えています。
今年は例年より少し遅い9月1日から揚がり始め、大漁日を2日3日はさみながら今日も少ないながらも水揚げがありました。

笹目近の漁のほとんどは土佐清水の窪津と以布利にある大敷網にかかります。

窪津漁港

一度の入札で30トンも水揚げがある大漁日には市場内は足の踏み場もないほどです。

暑い時期にくわえて、鮮度の落ちやすい小さい目近なので氷をきかせて工場まで運んできます。

タンクの上の笹目近

笹目近は100g〜200gほどの手のひらサイズ。写真の魚で110gほどです。

翌朝、窯でゆがいて一匹一匹頭や内臓など余分な部位を取り除き燻製にします。

仕上がった笹目近

4日ほど燻製にかけて仕上がった宗田節は水分が抜けてさらに小さくなります。

一匹分の笹目近

これは大き目(元は200g以上)の魚一匹分です。
分かりやすいように重ね合わせてみました。

笹目近にお絵かき

さらに分かりやすく、取り除いた部分を書き加えてみました。

日本中探しても、こんな小さな魚を頭や内臓を取り除いたうえで燻製にしている所は土佐清水市以外にないのではないでしょうか。
手間ひまかけた宗田節は、濃厚なのに嫌味のない美味し〜い出汁がとれますよ!
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2013年03月27日

ボサの話

土佐清水市を訪れた人は道端に積まれた薪を見たことがあるかもしれません。

ボサはえ

薪というには大きい長さ60cm程に切りそろえられた木は、地元ではボサと呼ばれ宗田節の燻製には欠かせないものです。

ボサには桜やウバメガシなど地元の山に自生する広葉樹が使われます。

宗田節造りの技術は燻製の技術と言っても過言ではないほど重要な工程を担うボサ。

燻製室

1回でこれだけの量を燃やし、それを一晩に4回。
写真撮影で裏の窓を開けているため、少なめになっている煙でもこの量です。

中央の金網が1階部分ですが、通常は使用せず上部の2階部分からセイロ取りをしためぢかを入れ、日を追うごとに3階、4階と上げていきます。

時期によって違いはあるものの、宗田節が完成するまでには火を焚き続けて一週間ほどかかります。

土佐清水市では年中この燻製の煙があがっているため、旅行客が間違えて消防署に通報したという笑い話まであるほどです。

実は一枚目の写真でも当店の節納屋からの煙が見えています。
少し坂を下ってアップに写した写真がコチラ。

節納屋からの煙

この煙を見ても間違えて通報しないように!
posted by まるきゅう at 21:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 宗田節造り

2013年01月15日

カビ付け宗田節

爆弾低気圧の影響で大変な関東方面とは裏腹に、昨日も小さな影響ですんだ土佐清水市では今日はうって変わって雲一つない晴天となりました。

こういう天気は絶好の節干し日和。
宗田節にカビを付けたカビ付け節を浜一面に干しました。

浜一面の宗田節

どれも同じカビ付け節に見えますが、ひとつはカビ付け直後の宗田節で、もうひとつは出荷前の宗田節です。

カビ付け宗田節の比較

カビ付け直後の宗田節は少し青っぽく見えると思います。
今日一日、太陽と風をいっぱいに受けた宗田節は倉庫で保管され、害虫追いカビに気を遣いながらカビの熟成具合を見て数か月後に出荷前の宗田節となって再び日の目を見ることになります。

出荷前の宗田節

カビを付けない裸節と比べると手間がかかりますが、カビが成長する過程で宗田節にある脂を分解してより美味しいだしの素となり、主に関東方面へと出荷されます。

害虫・・・宗田節を食べる虫の幼虫や、カビを食べる微生物も存在するため定期的に殺菌が必要です。

追いカビ・・・高温多湿となる梅雨時期から夏にかけてカビの上にさらに追いカビ(白いカビ)がついてくるので除湿や換気をして対策しています。

posted by まるきゅう at 22:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 宗田節造り

2012年12月26日

仕事納め

今年の秋目近の漁は例年より少なめですが、めずらしく宿毛の巻き網に一日平均5〜10tほどコンスタントに水揚げがあります。
値段はキロ当たり100円から120円ほど。
大きさは550g前後ですがそれほど脂も無く、まだ寒目近とまではいかないかもしれませんがまずまずの品に仕上がりそうです。

コンテナ内の目近

このコンテナは少な目に入れて約600kgの目近がはいっており、数にすると1000匹以上!

1日あいだを置いて翌々朝に1匹1匹腹を上にしてニカゴに並べ、整形しやすいようにカッターで腹を切ります。
(あいだを置くのは鮮度が強すぎると煮熟の工程で身割れをして節にならないためで、目近の釣れる時期や鮮度によって様々です)

釜揚げ直後の目近

釜揚げ直後は工場中に白い湯気が立ち込め、何とも言えない香りに包まれます。

今年はこれで仕事納めとなりそうですが、来年は寒目近が豊漁でありますよう!


本年も皆様に大変お世話になりました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
posted by まるきゅう at 18:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 宗田節造り

2012年05月30日

春目近漁

現在、春目近の漁真っ盛り。
毎日土佐清水市内で100t以上の漁があります。

産卵前で魚体も大きくなってきて、一隻当たり平均1.5tも釣ってきています。
二人乗りの漁船だとなかには2.5tほども釣って帰ってくる漁船も。

一尾500gとすると、3000尾ほど一人で釣っている計算になります。
しかも一尾一尾一本釣りで。プロじゃないと無理ですね。

ただこの時期気をつけないといけないのは魚の鮮度。
気温が上がってくることに加え、大漁で冷蔵が行き届かないこともあります。

そのためタンク一面に氷を打って翌朝に備えています。
入札で一円をあらそっても、氷代をケチるのは厳禁ですね。

氷を打った春目近
posted by まるきゅう at 21:21| Comment(3) | TrackBack(0) | 宗田節造り