2022年01月24日

宗田節の未来

前回のブログで報告した通り、昨年末に土佐清水市でカツオまつりサミットが行われました。その主催者である二平先生の寄稿が1/11日付の高知新聞にて掲載されました。

宗田節を世界農業遺産に

宗田節の次世代後継者の一人として話し合いにも参加いたしましたが、「世界農業遺産」認定を目指すという壮大な目標が掲げられました。
農業?と思われる方もいるかもしれませんが、広義で漁業も含んでいます。
そして世界を目指すにはまず日本からということで、「日本農業遺産」認定が必要となります。このへんは昨年、3度目の正直で土佐清水が認定された日本ジオパークと世界ジオパークの関係性に似ています。
規模感も似ていて日本ジオパーク44地域中、世界ジオパークが9地域あり、日本農業遺産22地域中、世界農業遺産11地域となっています。

目標は遠大ですが土佐清水の節造りの歴史や伝統、それによって育まれてきた文化や技術は十分に認定に値するのではないかと思います。
また達成できなければ失敗という類のものではなく、目指す過程そのものが宗田節にとってより良い未来へと続く道となる気がします。となると目標は大きいほど良い?と楽観的になったりしますが、現実の宗田節を取り巻く環境は厳しく待ったなしの状況です。
まだ具体的なことは何も始まっていませんが、宗田節に関わる全ての人が宗田節の未来について考え意見を交わす機会にしたいです。
posted by まるきゅう at 17:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 伝えたい宗田節のだし文化

2021年12月24日

イベントたくさんの12月

創業100周年の年を締めくくる12月はイベントが盛り沢山でした。

まず、地元足摺で市民のソウルフード「亀おこし」を製造する山下みさき堂さんとコラボした新商品「宗田節亀おこし」の発売から始まり、
宗田節亀おこし紹介

「第2回全国カツオまつりサミットin土佐清水」にて、取締役の新谷瞳が「地域の宝、宗田節の新たな魅力発信」と題して登壇。
(写真はその後のパネル討論の様子)
第2回全国カツオまつりサミットin土佐清水

翌日の特別に宗田節祭りと同時開催した「第38回土佐清水市産業祭」ではテープカットを務めました。
第38回土佐清水市産業祭

宗田節を使った料理や商品が並ぶ店は多くが完売、天気に恵まれコロナが落ち着いていたこともありたくさんのお客様でにぎわいました。この日のために準備した「宗田みたらしだんご」も大好評でした。
宗田みたらしだんご

そして最後に嬉しいニュース、今年新発売した「宗田節燻製クリスプ(ゆず塩味・生姜醤油味)」が第36回高知県地場産業奨励賞をいただきました。
第36回高知県地場産業奨励賞受賞

今では当社の看板商品となっている「卵かけご飯専用宗田節」以来の受賞で、商品開発にアドバイスいただいた方々や、食材を提供していただいている方々にも良い報告ができました。
今後も予定している梅味など節業界を活気づけられるような商品に育てていきたいと思います。

というわけで年末らしく総集編のような内容となりました。
本日はクリスマスイブですが一足早く、みなさま良いお年を!
posted by まるきゅう at 20:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 土佐清水市のイベント

2021年11月24日

こうちSDGs推進企業に登録

宗田節とSDGsの続報です。
その後、高知県のSDGsアドバイザー制度も利用して、SDGsに関して専門家に学びました。夏場のコロナが猛威を振るっていた時期でしたがZOOMを活用して講義を受け、一つ一つの項目に対して自社の取り組みと関連付けていきました。
それぞれの項目は、差別やハラスメントの禁止など人権の問題から法令順守のように会社というより人として守らなければならないこと、環境への配慮や防災活動など高度なものまで様々です。

こうちSDGs登録企業

今回の第一回の登録制度では、写真の84社が登録されています。
それぞれの会社の宣言書(大きな目標)や、チェックリスト(項目ごとの目標)はこのページで確認することもできます!
気になる会社がある人や、自社も登録を目指そうと思っている人はチェックすれば参考になると思います。

掲載されている企業としてはなかなか身の引き締まる思いです!
当社の大きな目標は3つ。

1. 環境に配慮した原材料を用い、高品質な商品をつくる

2. 会社の経済活動を通じて、地域社会に貢献する

3. 環境への影響を考慮し、3Rを推進する

それぞれの目標に対しては、商品点数の増加や売り上げの増加、資源の節約など具体的な数値目標もついています。
SDGsウォッシュ(※)にならないよう意識して取り組んでいきたいです。

※実態以上にSDGsに取り組んでいるように見せかけること
こうちSDGsのシンボルマーク
posted by まるきゅう at 18:41| Comment(0) | TrackBack(0) | その他

2021年11月08日

「卵かけご飯専用極上宗田節」の脱酸素剤変更

「卵かけご飯専用極上宗田節」の脱酸素剤の変更のお知らせです。

脱酸素剤の新旧比較

本日11/8製造(来年5/8賞味期限)より、脱酸素剤を変更いたしました。
これまで使用していた超コンパクト型の脱酸素剤が製造終了となったため、コンパクト型の脱酸素剤へ変更したものです。


11/4製造(来年5/4賞味期限)までは下の写真のように、容器上部のへりに2つかける形で入れておりました。

これまでの脱酸素剤使用商品


11/8製造(来年5/8賞味期限)より、容器最下部に2つ入れる形となります。

これからの脱酸素剤使用商品

作業手順も見直しを行い、これまで通り美味しい商品をお届けできるよう努めますので、今後ともよろしくお願いいたします。
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2021年10月24日

だしの科学〜だしの濁り〜

“だしが濁る”という表現を聞いたことがあるでしょうか?
雰囲気的にあまり良い意味ではないと思った方、その通りです。それどころか節屋にとってはかなり耳の痛い話です。価格交渉のときに「だしが濁るんだよね〜」と言われ、希望価格で売れなかったという経験はどの節屋もしていることでしょう。
前回のブログのように和食は引き算の料理、余分なものは嫌われます。だしの濁りとは、味的にも見た目的にもその余分なものに他ならないと言えます。
今回のだしの科学ではこの「だしの濁り」の発生のメカニズムから抑制方法まで論文を読んで解明していきます。

だしの濁りの原因は、ずばり脂質です。これまでも原魚に脂が多いと良い宗田節ができないとか、脂の少ない時期の寒目近が良い宗田節になると言ってきた意味はここにあります。
ただこの論文によると、「だしの濁りがある=だし中の脂肪含量が多い」という実験結果に対し、「節の脂肪含量が多い≒だしが濁る」となるようです。
これはさらに詳しく濁りの原因を探る必要がありそうです!

百聞は一見に如かず。
だしの濁りの原因物質を図示しました。(論文中の写真の模写です)

脂肪球が遊離する様子

原因物質はずばりオレンジの球(分かりやすく着色しています)
その名も「脂肪球」!
図は脂肪含量の多い宗田節を電子顕微鏡で見たものですが、だしをとった後はこの脂肪球が減少し、だしの中に移行し濁るのが分かりました。

「節の脂肪含量が多い≒だしが濁る」となる理由は、節の筋繊維に付いている脂肪球がだしに移行する割合に差があるためで、移行率は1.2〜3.5%と低いうえに節によっては5〜20倍も移行率に差が見られました。
※原魚の鮮度が悪かったり、煮熟や焙乾が不十分だと移行率が高くなるとも言われているようです。この移行率が低い節をつくるのが節屋の腕の見せ所でしょうか。

これでだしが濁るメカニズムは解明できました。続く濁りの抑制方法とは?

実はこの濁りの抑制方法はみなさんご存じです。
ポイントは2つ。
@長時間だしを抽出しない
Aダシパックや濾し袋を使用する

それぞれの解説としては、
@だしの抽出時間と成分の関係を調べたところ、3〜5分ほどでうまみが出て後は一定であるのに対し、脂肪量(濁り)は時間がたつほど大きくなるため。
Aダシパックや濾し袋を使用することで、削り節の動きが抑えられ脂肪球がだしに移行することが減り、だしの濁りが抑制される

もちろん削り節の形状や用途によってだしの取り方は変わることと、ダシパックの繊維が脂肪球を取り除いているのではないということに注意です。
※ダシパック等の網目より脂肪球の方が小さいため通過します。網目(50〜100μm )>脂肪球(1〜30μm )

今回は2つの論文をまとめたので少し長くなりましたが、興味のある方は原文を読んでみてください。

「節によるだし汁の濁りの生成と原因成分:山澤正勝著(2010)」
「だし調製条件によるだし汁の濁りの生成とその抑制:山澤正勝著(2012)」
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2021年09月24日

だしの科学〜和食を支えるだしの魅力〜

新シリーズ「だしの科学」と題してネットで閲覧できる論文をもとに、だしや節に関して科学的に迫っていきたいと思います。
閲覧できる論文は宗田節に関するものは非常に少なく鰹節が主ですが、科学的な部分では鰹節と宗田節は似通っている部分も多いため、同様として扱うこととします。
参考にした論文はタイトルと著者を記しますので、興味がある方はぜひ検索して一読してみてください。

前置きが長くなりましたが今回は、「和食を支えるだしの魅力:近藤高史著」を参考に、だしと節に迫ります。

日本と海外でのだしの素材は全く異なり、日本では昆布や節・シイタケなど乾燥素材を使うのに対し、海外では生の肉や魚・野菜を使用します。
乾燥素材を用いることにより短時間で成分を引き出し、低カロリー・低脂質といった特徴を持ちながら旨味成分は海外にひけをとらないものとなります。

よく和食は引き算の料理と言われるように、丁寧な下処理で余分なものを引き、だしによって野菜や魚介類などの具材の持ち味を引き出すことを本質としています。

だしの構成要素は「うま味+香り+その他」であり、「昆布のグルタミン酸」と「節や煮干しのイノシン酸・干しシイタケのグアニル酸」を合わせることで、それぞれ単独で使うよりはるかにうま味が増す「うま味の相乗効果」が知られています。
うま味の相乗効果
こういった特徴から和食は世界的に見ても「おいしくて健康」な料理であり、近年の和食ブームの要因となっています。

さらにかつおだしの機能性に焦点をあててみると、肉体・精神問わず様々な疲労改善効果が示されています。これは(ソウダガツオも含め)カツオが、通常の魚と異なりエラ呼吸できず浮袋もないためずっと泳ぎ続ける疲れ知らずの魚であることによります。

さらにはラットの行動観察から繰り返し摂取することで抗不安作用が認められ、ヒトの実験結果から胃の運動が整い満腹感を促進することも示されています。

総括すると、日本の食文化は世界に誇れる素晴らしい食文化であり、健康的で風味が良く、飽きずに毎日継続して摂取でき、またそうすることでより健康的になるということが明らかにされつつあるようです。

「だしの科学」では今後もだしや節に関しての論文を読んで勉強していきます。
ネット上では他にも様々な分野の論文が閲覧できますので、皆さんも自分の仕事に関することや趣味など興味のある分野の論文を読んでも面白いかもしれません。

※転載する場合などは著作権に配慮してください、当ブログでは直リンクや図などの転載は控えます。
posted by まるきゅう at 17:16| Comment(0) | TrackBack(0) | だしの科学〜論文を読んで〜

2021年08月24日

プライムトーク出演

FM高知で毎週金曜日11:30から放送している〜高知の明日を担う企業のニューリーダーたちをゲストに迎えるトーク番組〜「プライムトーク」の収録に行ってきました。

実はこの番組、同じ清水で当社とも関係の深い、「18℃デザイン」浜崎さん、「ウェルカムジョン万カンパニー」田中さん、「スーパーストアーみやむら」宮村さんも過去に出演しており、その縁もあって出演の運びとなりました。

収録場所のスタジオはFMらしく、アーティストさん達のサイン入りポスターやミリオンヒット記念の楯がびっしり!
口下手な私を心配して出演が決まってからは妻の厳しい指導!?を受けながら収録に臨みましたが、間近で聞くプロのアナウンサーさんの声は透き通り方が段違い!!

ラジオ出演もスタジオでの収録も初めてで、しっかりした打ち合わせがあっても「はい、本番で〜す!」の後の静寂が緊張感を誘ってきます。
9/3と9/10放送の2日分の収録をしましたが、聴いていたいつものプライムトークの感じになったかな?と思ったのはほぼ終わり頃。
進行役のお二人に助けられながらも、後は編集の矢野さんの腕に頼るのみです。

聴いてみたいような聴きたくないような、聴いて欲しいような欲しくないような複雑な気持ちです。
とは言え昨日の収録で他のブログネタも思いつかないので、これまた複雑な気持ちで書いてます。
ラジオらしく曲のリクエストも2つあり、1つは世界的大ヒットでもう1つは局地的大ヒットなのでそちらは(特に2曲目は)ぜひ聴いて欲しいと思います。

笑みがこぼれる奇跡の瞬間
posted by まるきゅう at 21:12| Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ局の取材

2021年07月24日

宗田節食堂

創業100年を迎えてでもお知らせした通り、当店の100周年記念のメインイベント「宗田節食堂」を高知市の大人気店「WARAYA藁屋」の笹さんの全面協力により中浜会館にて行いました。

宗田節食堂の仕込み

1ヶ月前より予約受付していた100周年記念弁当をはじめ、当日販売のドライブシカリーとエスニックブシメンも大好評で昼までには完売となりました。
中浜の人たちを始め、高知市や宿毛市からもお越しいただき誠にありがとうございました。

宗田節食堂開店

天気にも恵まれ最高のイベントとなりました。
朝3時から仕込みをしてくれていた笹さん夫妻お疲れ様でした、そしてありがとうございました!

宗田節食堂集合写真
posted by まるきゅう at 15:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 土佐清水市のイベント

2021年06月30日

賞味期限変更のお知らせ

日頃より宗田節の新谷商店をご贔屓いただき誠にありがとうございます。
削り節をつくり始めてより賞味期限を5ヶ月としておりましたが、明日7/1製造分より6ヶ月に変更いたします。

賞味期限が変更となる商品は以下の通りです。
@卵かけご飯専用宗田節
Aうす削り
B厚削り
C粉末だし
D宗田節ぷらす

以前よりお客様のなかには1年分購入して使用しているという声をいただいていたり、他社は賞味期限1年としている削り節が多いですが、できるだけ美味しく食べてもらいたいという気持ちやあまり良くない保存環境を考慮して短めの賞味期限にしていました。
ですが今回のコロナ禍で食品廃棄が問題となったり、実際に賞味期限切れとして引き取った商品を食べてみて問題がないことを確認し、賞味期限を1ヶ月伸ばすことにしました。

削り節商品自体はこれまでと変わりなく製造していきますので、引き続きご愛顧いただければ幸いです。
posted by まるきゅう at 20:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 新谷商店の商品

2021年06月24日

創業100年を迎えて

新谷商店は大正10年(1921年)に創業して今年(2021年)は創業100年目になります。
有限会社新谷商店となったのは2000年、私(重人)はその1年前から従事していますが、一つの区切りとして7/1に代表取締役に就任することになりました。創業から数えると四代目になりますが、節造りの伝統を守りつつ新たなチャレンジもしていきたいと思いますので引き続きよろしくお願いいたします。

会社の定款を変更するにあたり、土佐清水市中浜610番地という会社の住所も土佐清水市中浜592番地と変更することにしました。そもそも610番地というのは祖父の家の住所で今は空き家となっているため、工場のある家の方の592番地にした方が良いだろうという判断です。これでスマホやナビで610番地へ行ってしまう人が減れば幸いです。

業務連絡的になっていますが、創業100年を機にしたチャレンジが3つあります。
1つはすでに6/16に発売した「宗田節燻製クリスプ」の「ゆず塩味」と「生姜醤油味」の新商品です。秋ごろできる「梅味」とあわせ、これまでにない画期的な製法と味わいなので今後どうなるかは未知数ですが、節製品の新ジャンルとして認識されるくらいに頑張りたいと思っています。

2つめは100周年記念土佐手拭いの制作です。高知のテレビでもおなじみの「株式会社わらびの」畠中さんに頼んでいて渋いデザインになっていますので近々お披露目します。

3つめは7/24に中浜会館で開催するイベント。高知市内で大人気の料理屋「藁屋WARAYA」を営む笹さんに、宗田節をふんだんに使ったおいしい100周年記念弁当をつくってもらい販売します。
詳細はSNSを参考にしてください。

 6〜7月にかけて盛りだくさんですが、どれも当社だけでできるものではなくこれまでのつながりを元にした取り組みとなっています。宗田節も原魚から節となるまで、多くの人や会社の助けなしにはできません。当社が今年100年目を迎えることができたのも土佐清水市の素晴らしい人や環境があり、そこでつくったものを日本全国で売ってくれ買ってくれる人や会社があればこそです。

これまでの営業活動でどれくらい社会に還元できているか分かりませんが、これからもコロナに限らず厳しい情勢のなか、ひたむきに経営を続けることで社会に貢献できる会社でありたいと思います。

創業100年の新谷商店
posted by まるきゅう at 21:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 伝えたい宗田節のだし文化