2021年09月24日

だしの科学〜和食を支えるだしの魅力〜

新シリーズ「だしの科学」と題してネットで閲覧できる論文をもとに、だしや節に関して科学的に迫っていきたいと思います。
閲覧できる論文は宗田節に関するものは非常に少なく鰹節が主ですが、科学的な部分では鰹節と宗田節は似通っている部分も多いため、同様として扱うこととします。
参考にした論文はタイトルと著者を記しますので、興味がある方はぜひ検索して一読してみてください。

前置きが長くなりましたが今回は、「和食を支えるだしの魅力:近藤高史著」を参考に、だしと節に迫ります。

日本と海外でのだしの素材は全く異なり、日本では昆布や節・シイタケなど乾燥素材を使うのに対し、海外では生の肉や魚・野菜を使用します。
乾燥素材を用いることにより短時間で成分を引き出し、低カロリー・低脂質といった特徴を持ちながら旨味成分は海外にひけをとらないものとなります。

よく和食は引き算の料理と言われるように、丁寧な下処理で余分なものを引き、だしによって野菜や魚介類などの具材の持ち味を引き出すことを本質としています。

だしの構成要素は「うま味+香り+その他」であり、「昆布のグルタミン酸」と「節や煮干しのイノシン酸・干しシイタケのグアニル酸」を合わせることで、それぞれ単独で使うよりはるかにうま味が増す「うま味の相乗効果」が知られています。
うま味の相乗効果
こういった特徴から和食は世界的に見ても「おいしくて健康」な料理であり、近年の和食ブームの要因となっています。

さらにかつおだしの機能性に焦点をあててみると、肉体・精神問わず様々な疲労改善効果が示されています。これは(ソウダガツオも含め)カツオが、通常の魚と異なりエラ呼吸できず浮袋もないためずっと泳ぎ続ける疲れ知らずの魚であることによります。

さらにはラットの行動観察から繰り返し摂取することで抗不安作用が認められ、ヒトの実験結果から胃の運動が整い満腹感を促進することも示されています。

総括すると、日本の食文化は世界に誇れる素晴らしい食文化であり、健康的で風味が良く、飽きずに毎日継続して摂取でき、またそうすることでより健康的になるということが明らかにされつつあるようです。

「だしの科学」では今後もだしや節に関しての論文を読んで勉強していきます。
ネット上では他にも様々な分野の論文が閲覧できますので、皆さんも自分の仕事に関することや趣味など興味のある分野の論文を読んでも面白いかもしれません。

※転載する場合などは著作権に配慮してください、当ブログでは直リンクや図などの転載は控えます。
posted by まるきゅう at 17:16| Comment(0) | TrackBack(0) | だしの科学〜論文を読んで〜

2021年08月24日

プライムトーク出演

FM高知で毎週金曜日11:30から放送している〜高知の明日を担う企業のニューリーダーたちをゲストに迎えるトーク番組〜「プライムトーク」の収録に行ってきました。

実はこの番組、同じ清水で当社とも関係の深い、「18℃デザイン」浜崎さん、「ウェルカムジョン万カンパニー」田中さん、「スーパーストアーみやむら」宮村さんも過去に出演しており、その縁もあって出演の運びとなりました。

収録場所のスタジオはFMらしく、アーティストさん達のサイン入りポスターやミリオンヒット記念の楯がびっしり!
口下手な私を心配して出演が決まってからは妻の厳しい指導!?を受けながら収録に臨みましたが、間近で聞くプロのアナウンサーさんの声は透き通り方が段違い!!

ラジオ出演もスタジオでの収録も初めてで、しっかりした打ち合わせがあっても「はい、本番で〜す!」の後の静寂が緊張感を誘ってきます。
9/3と9/10放送の2日分の収録をしましたが、聴いていたいつものプライムトークの感じになったかな?と思ったのはほぼ終わり頃。
進行役のお二人に助けられながらも、後は編集の矢野さんの腕に頼るのみです。

聴いてみたいような聴きたくないような、聴いて欲しいような欲しくないような複雑な気持ちです。
とは言え昨日の収録で他のブログネタも思いつかないので、これまた複雑な気持ちで書いてます。
ラジオらしく曲のリクエストも2つあり、1つは世界的大ヒットでもう1つは局地的大ヒットなのでそちらは(特に2曲目は)ぜひ聴いて欲しいと思います。

笑みがこぼれる奇跡の瞬間
posted by まるきゅう at 21:12| Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ局の取材

2021年07月24日

宗田節食堂

創業100年を迎えてでもお知らせした通り、当店の100周年記念のメインイベント「宗田節食堂」を高知市の大人気店「WARAYA藁屋」の笹さんの全面協力により中浜会館にて行いました。

宗田節食堂の仕込み

1ヶ月前より予約受付していた100周年記念弁当をはじめ、当日販売のドライブシカリーとエスニックブシメンも大好評で昼までには完売となりました。
中浜の人たちを始め、高知市や宿毛市からもお越しいただき誠にありがとうございました。

宗田節食堂開店

天気にも恵まれ最高のイベントとなりました。
朝3時から仕込みをしてくれていた笹さん夫妻お疲れ様でした、そしてありがとうございました!

宗田節食堂集合写真
posted by まるきゅう at 15:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 土佐清水市のイベント

2021年06月30日

賞味期限変更のお知らせ

日頃より宗田節の新谷商店をご贔屓いただき誠にありがとうございます。
削り節をつくり始めてより賞味期限を5ヶ月としておりましたが、明日7/1製造分より6ヶ月に変更いたします。

賞味期限が変更となる商品は以下の通りです。
@卵かけご飯専用宗田節
Aうす削り
B厚削り
C粉末だし
D宗田節ぷらす

以前よりお客様のなかには1年分購入して使用しているという声をいただいていたり、他社は賞味期限1年としている削り節が多いですが、できるだけ美味しく食べてもらいたいという気持ちやあまり良くない保存環境を考慮して短めの賞味期限にしていました。
ですが今回のコロナ禍で食品廃棄が問題となったり、実際に賞味期限切れとして引き取った商品を食べてみて問題がないことを確認し、賞味期限を1ヶ月伸ばすことにしました。

削り節商品自体はこれまでと変わりなく製造していきますので、引き続きご愛顧いただければ幸いです。
posted by まるきゅう at 20:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 新谷商店の商品

2021年06月24日

創業100年を迎えて

新谷商店は大正10年(1921年)に創業して今年(2021年)は創業100年目になります。
有限会社新谷商店となったのは2000年、私(重人)はその1年前から従事していますが、一つの区切りとして7/1に代表取締役に就任することになりました。創業から数えると四代目になりますが、節造りの伝統を守りつつ新たなチャレンジもしていきたいと思いますので引き続きよろしくお願いいたします。

会社の定款を変更するにあたり、土佐清水市中浜610番地という会社の住所も土佐清水市中浜592番地と変更することにしました。そもそも610番地というのは祖父の家の住所で今は空き家となっているため、工場のある家の方の592番地にした方が良いだろうという判断です。これでスマホやナビで610番地へ行ってしまう人が減れば幸いです。

業務連絡的になっていますが、創業100年を機にしたチャレンジが3つあります。
1つはすでに6/16に発売した「宗田節燻製クリスプ」の「ゆず塩味」と「生姜醤油味」の新商品です。秋ごろできる「梅味」とあわせ、これまでにない画期的な製法と味わいなので今後どうなるかは未知数ですが、節製品の新ジャンルとして認識されるくらいに頑張りたいと思っています。

2つめは100周年記念土佐手拭いの制作です。高知のテレビでもおなじみの「株式会社わらびの」畠中さんに頼んでいて渋いデザインになっていますので近々お披露目します。

3つめは7/24に中浜会館で開催するイベント。高知市内で大人気の料理屋「藁屋WARAYA」を営む笹さんに、宗田節をふんだんに使ったおいしい100周年記念弁当をつくってもらい販売します。
詳細はSNSを参考にしてください。

 6〜7月にかけて盛りだくさんですが、どれも当社だけでできるものではなくこれまでのつながりを元にした取り組みとなっています。宗田節も原魚から節となるまで、多くの人や会社の助けなしにはできません。当社が今年100年目を迎えることができたのも土佐清水市の素晴らしい人や環境があり、そこでつくったものを日本全国で売ってくれ買ってくれる人や会社があればこそです。

これまでの営業活動でどれくらい社会に還元できているか分かりませんが、これからもコロナに限らず厳しい情勢のなか、ひたむきに経営を続けることで社会に貢献できる会社でありたいと思います。

創業100年の新谷商店
posted by まるきゅう at 21:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 伝えたい宗田節のだし文化

2021年05月24日

世界ネコ歩き

5/4に本放送、5/12に再放送のあった「岩合光昭の世界ネコ歩き」は、高知県四万十市と土佐清水市がロケ地でした。
すでにSNSでは報告しましたが、土佐清水市のロケの間にちょこっと当社も放送されました。

世界ネコ歩きその1

実は前々回の「宗田節と猫」は、岩合さんに飼い猫を撮ってもらえるかもしれない!?という期待も込め書いていました。

その願いは叶い、天気の良い日に宗田節を干している様子と一緒に、飼い猫3匹のうちの1匹「ぴっぴ」がネコ歩きに登場しました。

世界ネコ歩きその2

干している宗田節をとりに来る他のネコを追い払う訓練中!という感じの檀れいさんのナレーションが入っていましたが、実際にネコはよく来ます。
昼休憩の合間に宗田節をとっていかれたり、干している近くに齧られた宗田節が落ちていることもあります。

以前飼っていた柴犬は宗田節をあげるとバリバリとすぐに食べきっていましたが、ネコが硬い宗田節を食べるのは至難の業だと思います。野良猫ならではの逞しさでしょうか。

他に宗田節を狙っている動物としてはカラスがいます。
カラスは欲張りで、放っておくと何度も何度もとりに来たり、仲間を呼んで大勢でやってくることもあります。以前は浜で干していることも多く、カラスを追い払うために見張りが必要でした。
たまに海辺の水たまりに入っている宗田節は、カラスが食べやすくするために柔らかくしているという話です。カラスは賢いですね。

今回で毎月24日の節の日にブログを投稿しはじめてちょうど1年になりますが、久しぶりのメディア関係の報告でした。

世界ネコ歩きその3

※写真右下は、テレビの前の出演を逃した姉妹ネコの「みみ」です
posted by まるきゅう at 14:42| Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ局の取材

2021年04月24日

宗田節の品質

突然ですがクイズです。
下の写真の二対の宗田節、どちらの品質が良いでしょうか?

比較その1

もう少し分かりやすい?写真にするとどうでしょう?

比較その2

答えは上写真は左の一対の品質が良く、下写真は右の一対が品質の良い宗田節です。

いずれも同じ日に水揚げされためぢかの焙乾5日目くらいの写真ですが、品質は様々です。
品質の良し悪しは原魚の脂の多寡で決まります。
基本的には同時期の原魚であれば、大きいものが脂も多めです。
さきほどの下写真はその典型ですね。

脂が多いと完成後の節の皮にしわがよります。
皮下脂肪が焙乾の妨げとなり、皮と身がぴったりくっついたまま焙乾が進んでいかないためではないかと思います。
そのため、産卵前の脂が多い時期のめぢかは皮剥ぎと言って皮を剥いで、ヌルッとした皮下脂肪を水で洗う手間をかけて宗田節にします。

とは言っても脂があるのは皮下だけではなく、身も同様です。
脂が多い宗田節は折ってみると、めしっと断面がギザギザになります。

脂断面

一方、良質の宗田節はパキッと断面が光ります。
ただ、一度冷凍した原魚は解凍時に多少脂が落ちるため断面はキレイでも良質とは限りません。

良断面

何をもって良質かそうでないかは用途によっても違いはあると思いますが、やはり味だと思います。
美味しいダシがどれだけとれる宗田節であるか?

主観ですが、脂の多い宗田節は風味が悪く味が薄く感じます。逆に良質の宗田節は風味が良く噛めば噛むほど味が染み出してくる気がします。後味は言わずもがなですね。

最後に少し脂があった宗田節と、良質の宗田節の削り節の写真を載せておきます。
どっちがどうか、もうお分かりでしょう!?

削り節比較
posted by まるきゅう at 10:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 宗田節造り

2021年03月24日

宗田節と猫

2016年に猫の飼育頭数が初めて犬を超え、コロナ禍でも癒しを求め飼う人が増えているようです。
学生時代に犬を2匹、現在は猫を3匹飼っている者として散歩の手間のかからない猫が人気なのは理解できます。

人間と同様、ペットも長生きになってきて病気のリスクも増えました。砂漠を起源とする猫は少ない水分で生き抜くために腎臓の働きが強く、高齢になるにつれ腎臓病で亡くなることが多いようです。腎臓の機能は一度悪くなると回復しないためです。

となると、元気に長生きしてもらうためには腎臓をいたわることが大事です。
そのためにはやはり食事、特に塩分量に気をつける必要があります。
削り節は塩分が多いので猫にあげてはいけないという話もありますが本当にそうか調べてみました。
ペット塩分量
通常のペットフードと腎臓ケアのペットフード、通常の鰹節とペット用の減塩の鰹節、それと宗田節の塩分量の比較です。
削り節もペットフードと比べて、特に塩分が多いわけではないことが分かります。
それもそのはず、節や削り節の製造工程において、塩分を添加することはありません。

今回は栄養成分表示義務がある塩分量での比較をしましたが、リンやマグネシウムなど気をつけなければならない成分は他にもあります。

塩分が多いから削り節を猫にあげてはいけない!ということはありませんが、その他の成分のバランスも考えてキャットフードを総合栄養食としてメインで食べてもらい、削り節はたまにあげるおやつとして楽しんでもらえれば良いと思います。

猫たちと削り節
posted by まるきゅう at 20:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 宗田節

2021年02月24日

宗田節とSDGs

SDGs(エスディージーズ)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
ソウダガツオSouDaGatsuoの略ではありません、念のため。
国連が2015年に定めたSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称で、2030年までに達成しようというものです。

何やら難しそうな匂いがぷんぷんしますが、個人的にいろいろ調べてここでは「地球の抱える数多くの問題を解決していくために、世界中の人々で協力していこう」と要約してみたいと思います。
と言っても要約し過ぎて逆に分からない可能性もあるので、公式の17の大きな目標を図示します。
SDGsの17の目標
この17の大きな目標の下に169の小さな目標があるみたいですが割愛しますので、興味ある方はこのサイトで勉強してみてください。

ここで宗田節と関りが深いのはやはり「14:海の豊かさを守ろう」でしょう!
宗田節の原魚のソウダガツオは、土佐清水沖で曳縄漁(一本釣り)によって漁獲されており、資源保護の観点からは合格だと思います。
同様の一本釣りのカツオは海のエコラベルを取得しています。(ソウダガツオ漁も取得できないだろうか!?)

他にも焙乾(燻製)工程で大量の薪を使用するため「15:陸の豊かさも守ろう」も欠かせません。また食品製造業として2(食糧)と3(健康)、8(経済)と9(産業)と12(責任)も関連が深いですね。
とまあかなり欲張りましたが、それぞれの目標は地球上における問題のため関連してくるのは必然とも言えそうです。

地球規模の大きな問題なので当社のような零細企業のできることは微々たることかもしれませんが、意識を持ってできることから取り組んでいくことで地球が少しでも良い方向へ進んでいけると考えます。
posted by まるきゅう at 17:43| Comment(0) | TrackBack(0) | その他

2021年01月24日

黒潮の話〜流路と漁の予測〜

黒潮シリーズの宗田節ブログも今回で5回目になりました。
今回の〜流路と漁の予測〜で一区切りとしたいと思います。
その前に、もう一度これまでの話からメヂカ漁に関するポイントをまとめてみます。

1. 足摺岬・室戸岬に黒潮が接岸している方が良い
2. 大蛇行=不漁ではないが、接岸=好漁とも言えない

という何とももどかしいまとめになりますが、何せ相手は魚、海況が良くても実際に来遊してきて釣れるかどうかは不明です。
さらに船の下が真っ黒に見えるほど泳いでいても、一切釣れない時もあるという話です。

予測の前に防衛線を張りまくっている気がしますが、そもそも今回の漁予測は不要になれば良いなと思っていました。
予測するまでもなく大漁やという状況です。例年であれば十分その可能性はありましたが、残念ながら昨年からの超不漁が続いている状況で現在まで水揚げはほぼ0です。

昨季の寒メヂカ漁はカツオを釣っているときにメヂカも釣れだしてメヂカ漁に転換して好漁になるという経過だったのですが、今季もカツオ漁はしているもののメヂカのケは無い(釣れそうな気配がない)ようです。

そこで本題の予測ですが、まず黒潮の予測を見ることが大事です。
いろいろな機関が予測していますが、海洋研究開発機構(JAMSTEC)がYouTubeにアップしている長期予測を参考にします。



大蛇行の元となる青い塊(冷水塊)が移動しているのが分かります。
これまでが「安定した大蛇行」であったとするなら「不安定な大蛇行」と言えるような状況でこれが不漁の一因となっている気がします。

海況の専門家も大蛇行が終わったといえるかもまだはっきりと分からないという難しい状況になっています。
上記YouTubeの元記事を参考にしてください

海況の予測が困難な中で、それを元にした漁の予測ははたして意味があるのか?というそもそも論になりますが、無理やり予測すると2/9あたりから比較的黒潮の流路が接岸気味で安定しているように見えるので、希望も込みで寒メヂカ漁が始まってくれることを期待したいと思います。
posted by まるきゅう at 12:34| Comment(0) | TrackBack(0) | マニアックな話